わたしは大学病院で2年半、クリニックで2年間看護師として働いていました。
別記事で看護師として働いていて、HSPで良かったと思うことについて紹介しました。
そこで今回は、患者さんとのやり取りで今も心に残るエピソードを用いて、HSPのわたしが看護師として働いて良かったことの具体例をご紹介したいと思います。
末期がん患者さんとのエピソード
わたしが大学病院で看護師をしていた頃の話です。
その日、わたしはある患者さんを受け持たせていただくことになりました。
その患者さんは長期入院を繰り返しており、まだ年齢的にもお若く意思疎通は良好ですが、病状は悪化の一途でした。
患者さんは連日下痢便が頻回で、トイレに間に合わずおむつに便失禁を繰り返してしまっている状況でした。しかしなんとか室内歩行は可能で、排尿は間に合えば自力歩行で行えていたため、膀胱留置カテーテルは挿入していませんでした。
当時私の勤めていた病棟では、膀胱留置カテーテルを挿入中の患者さんは、毎日陰部洗浄を行う決まりがあったのですが、そうではない患者さんには特に試行していませんでした。
その患者さんを受け持つにあたりここ最近の清潔ケアの実施状況を確認したところ、清拭タオルだけをお渡しし自分で体を拭いてもらっている状況でした。
しかし、患者さんは毎日便失禁を繰り返しており、シャワー浴も長い間出来ていない状況であったため、膀胱留置カテーテルは入っていませんでしたが、わたしはその日患者さんの陰部洗浄を行うことに決めました。
患者さんに許可を取り陰部洗浄を試行しながら、患者さんと様々なお話をさせていただきました。患者さんは終始「気持ちいい、ありがとうね」と言ってくださっていました。
陰部洗浄が終わり退室し、その後別の用事で患者さんのところに伺った時でした。
患者さんが「さっきはありがとう。実はあなたが退室した後、俺気持ち良すぎて泣いてしまったんだ。あのケアは何ていう名前なの?久しぶりに温かいお湯でお下を綺麗にできて、本当に気持ち良かった。」と泣きながら言ってくださったのです。
当時、わたしは看護師としてのあり方に悩んでいて「わたしなんか看護師に向いていない」と自信を無くしてしまっていました。
その中で掛けていただけたこの言葉はわたしにとって宝物のようで、当時のわたしは本当にこの言葉にに救われるような気持ちでした。これからもこの患者さんの言葉は一生忘れることはないと思います。
HSPだからこそ
HSPで看護師をやっていると、精神的に疲弊したり、周りと比べて落ち込んだり、「看護師に向いていないのでは」と思うことも多々あります。
しかし、敏感に患者さんの状態や感情を察知することができるHSPだからこそ気づけることや提供できる看護があるのではないか、とこの患者さんとのエピソードをきっかけに思うことができました。
HSPで看護師をしていて辛い方
HSPで看護師をしていて辛い方、「向いてないな」と思っている方もいらっしゃると思います。
しかし、HSPだからこそ気づけることやあなたにしか出来ない看護がきっとあると思います。
HSPの方が、自分の長所にも目をむけ、自信を持って看護師ができるように願っています。
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